哲学・経済学・心理学
久々に哲学者の本を読みつつ紹介してみます。 今回はもともと医師であったという点で何となく親近感の沸きやすい(?)ミシェル・フーコーを取り上げてみたいと思います。 以前に書いたニーチェと同様に「既存の価値観に疑ってかかる」ちょっとひねた感じの…
少し前にこんな感じのツイートを見ました。 「80歳台の腎不全の男性でもともと透析を拒否されていたが、自宅で呼吸苦を訴えて、見かねた家族が救急要請。家族からの希望もあり、最終的には緊急透析を行なって、本人は『こんなに楽になるのか』と言っていた」…
『これからの正義の話をしよう』で一時期日本でもしばらく話題になったマイケル・サンデルの新作『実力も運のうち 能力主義は正義か?』を読みました。 // リンク アメリカの政治・教育の話が主なので、その辺は日本人にとって理解しにくい部分もありますが…
今回はようやくタイトル回収となる、存在と時間性についてみていきます。 前回までは現存在の全てを本来的な生き方で考えるには、死への不安を受け入れ、先駆的覚悟性が必要である、という話まで見ました。それはどういう条件があれば可能になるの?という話…
久しく離れていましたが、そろそろとりあえず読み終えていきたいハイデガーの話をまた書いていきます。 前回までは現存在について重要な部分を成す気遣いと内存在が「気分」「了解」「語り」で構成され、さらにそれが本来的なものと非本来的なものに分けられ…
ハイデガーの『存在と時間』について、内容をさらに進めていきます。今回は本来的/非本来的存在・頽落についてとそれを構成する気分・了解・語りについてです。 目次: 内存在の構成を詳しくみていく 「気分・了解・語り」とは ①気分 ②了解 ③語り 本来性と非…
前回までは、事物の存在について書いてきたので、続いては自分以外の人の存在についての話を書いていきます。 前回までの記事はこちら medibook.hatenablog.com medibook.hatenablog.com medibook.hatenablog.com 目次: 他者と事物の存在の共通点と相違点 …
前回は事物の存在が、ざっくり言えば、周囲のものとの関係性と自分のその都度の扱い方の中でつくられる話を書きました。距離だとか場所を表す空間の認識について、同様の捉え方ができることについて書いていきます。 前回記事はこちら medibook.hatenablog.c…
前回記事に引き続いて『存在と時間』を紹介していきたいと思います。 medibook.hatenablog.com 「存在を明らかにするためには、まず現存在(=個々の人間)について分析をする」という流れに基づいて、現存在とはどのように定義されるのか?、どのような意味…
久しぶりに哲学の話を書きます。あくまで素人視点です。 前回ニーチェの話を書いてからというもの、ほぼ同時代人であるマルティン・ハイデガーの本と入門書をゆっくり読んでいたわけですが、これがまた難しすぎて記事を書く気になりませんでした、、、。が、…
経済学関連の本も時々読んでいるのですが、基本的にその辺りの話は知識が乏しくて、記事を書くのもなあ、、と思っていたんですけども、逆に書かないとやっぱり本の知識が頭に入らないので、背伸びしつつ書いてみようと思います。 今回読んだのは『武器として…
「分かったつもり」になっているけど、実はよくわからない本や概念ってないでしょうか。 本を沢山読むことの良さを語った本や、読書の意味/記憶術/速読の方法なんて本はたくさんありますが、難しい本を理解する方法について説いた本は少ないです。 先日買っ…
さて、ここ最近色々本を買いあさってたんですが、1冊ずつ紹介記事を書くのは結構骨が折れる(というか終わらない)のでライトにまとめて紹介していこうと思います。今回は「100分de名著」というNHKのテレビ番組の本を紹介します。 目次: 100分de名著とは ル…
何のために生きるのか、と聞かれると「意味なんてないよ」と斜に構えた答えをする人がいると思いますが、それを徹底しきった思想家がフリードリヒ・ニーチェです。 「神は死んだ!」とか「事実というものは存在しない。 存在するのは解釈だけである。」とか…
今回は永遠回帰の思想から導かれるニーチェなりの生きる意味について、述べていきます。今回でニーチェは最後です。 前回までの記事はこちら 【生きる目的が分からなくなってしまった人へ】フリードリヒ・ニーチェの思想④ - 脳内ライブラリアン 【生きる目的…
前回まででニーチェの人生まで紹介しました。今回からついにニーチェの思想に入っていきます。 前回までの記事はこちら 【生きる目的が分からなくなってしまった人へ】フリードリヒ・ニーチェの思想② - 脳内ライブラリアン 【生きる目的が分からなくなってし…
今回の記事ではニーチェの思想にとって大事な、どんな人であったかを振り返ってみます。 前回記事はこちら 【生きる目的が分からなくなってしまった人へ】フリードリヒ・ニーチェの思想① - 脳内ライブラリアン 目次: ニーチェ誕生 若き日のニーチェ 病気の…
「神は死んだ!」に代表されるセンセーショナルな言葉で、今なお影響を与え続ける19世紀の哲学者、ニーチェ。今回からはニーチェを紹介しようと思います。 ニーチェはその刺激の強さゆえに、というところがあるかもしれませんが、解説本も原著も読んでいて抜…
以前の記事で勉強と記憶において論理力というのは重要であることを書きました。 medibook.hatenablog.com 哲学の本を読むにせよ、医学論文を読むにせよ、あるいは書くにせよ、論理力は基本であり、必要な能力です。また、ビジネスでも人にきちんと分かるよう…
現象学の方法論と現象学が生まれるまでの流れを今までにみてきました。今回はその応用方法を一度考えてみようと思います。 前回までの記事はこちら 【意見対立の解消に役立つ】エドムント・フッサールと現象学② - 脳内ライブラリアン 【意見対立の解消に役立…
前回記事では現象学の中心となる思考スタイルである「現象学的還元」について紹介しました。 【意見対立の解消に役立つ】エドムント・フッサールと現象学① - 脳内ライブラリアン 今回はその提唱者であるエドムント・フッサールはいつ頃の人なのか、どんな哲…
内容が難しすぎて、本を読んでから書き始めるのに時間がかかりましたが、哲学の話のまとめをまたやってみようと思います。 かなり現代に近づきますが、今回は「現象学」についてです。 「現象学」ってなんやねん、とまず思ったのですが、これは一つの考え方…
日本の経済成長は今や右下がり、低迷がつづいています。アベノミクスによって株価は上がっていたものの内実が何か変わっていた様子はありません。今後の日本に必要な方向性とはどういう形なのか。それを書いた良い本を紹介します。 最近本棚に本が溜まってき…
皆さんは文章力に自信があるでしょうか。僕はありません(笑) 最近毎日更新するようにしているのですが、どうも文章が乱れがちで、論理構成がままならないまま書いてる部分があるなあという印象です。 あくまで書く練習中という側面もあるのですが、一度これ…
J.S.ミルが「自由」を重視し続けた理由の続きと他者危害原則とはどこまでを危害と捉えるべきなのかについて書きます。 前回記事はこちら J.S.ミルと自由について① - 脳内ライブラリアン J.S.ミルと自由について② - 脳内ライブラリアン J.S.ミルと自由につい…
J.S.ミルが『自由論』で最も主張したかった他者危害原則について、まず簡単に触れて書いていきます。功利主義と自由の重要性の関連について少し書きます。 前回記事はこちら J.S.ミルと自由について① - 脳内ライブラリアン J.S.ミルと自由について② - 脳内ラ…
J.S.ミルが自由をなぜ重視したのか、その根底にある「功利主義」について書きます。 前回記事はこちら J.S.ミルと自由について① - 脳内ライブラリアン J.S.ミルと自由について② - 脳内ライブラリアン 目次: 功利主義とは 質的功利主義<ベンサムとミルの違…
前回に引き続き、ミルの人物像について書いていきます。今回は父親と同様にミルにとって大きな存在である、ハリエット・テーラーについてです。 前回記事はこちら J.S.ミルと自由について① - 脳内ライブラリアン J.S.ミルとハリエット・テーラー 24歳で出会…
ただの素人が書く哲学者シリーズ。 前回書いたとおりジョン・スチュアート・ミルについて今回は調べてみました。 J.S.ミルというとどんなイメージでしょうか。とりあえず知っているのは「自由論」を書いていて何だか自由について重要性を主張していたこと、…
今日は書評です。普段本はkindleか、hontoなどの電子書籍で買っているのですが、経済関連の本を色々買っていたら、hontoからお勧めされたのがこの一冊。 貨幣の「新」世界史──ハンムラビ法典からビットコインまで (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) 作者:カ…