脳内ライブラリアン

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医療、統計、哲学、育児・教育、音楽など、学んだことを深めて還元するために。

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統計

Judea Pearlの入門統計学的因果推論を読んでみよう②

引き続きまして『入門統計学的因果推論』の第2章を読み進めてみます。ここからは具体的なグラフィカルモデルの応用になってきます。 (function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a; b[a]=b[a]||function(){arguments.currentScript=c.currentScript …

Judea Pearlの入門統計学的因果推論を読んでみよう①

興味があってJudea Pearlの『入門統計学的因果推論』を昨年から読んでいるのですが、読んでいるだけだとイマイチ頭に入らないので、読んだ内容を大まかにまとめてみたいと思います。 (function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a; b[a]=b[a]||funct…

正規分布の平均まわりのk次モーメントの求め方

さて、統計検定で勉強した名残を少し記事にしていこうかと思います。 統計検定でも時折問われることがあるのが、正規分布のk次モーメントです。 のとき、がどうなるかといった問題ですね。 そのまま式を考えるより、標準正規分布N(0,1)のモーメント母関数を…

2021年の統計検定1級(統計数理・統計応用/医薬生物学)を受けてきた

さて、昨日は統計検定1級の試験日でした。Twitterでワイワイやるのは楽しかったですが、久々に頭を使って疲れました。 来年に向けて試験の内容と感想を書いておきます。 試験の内容 問題用紙は持ち帰れますし、じきに公式ページにも問題がアップされると思い…

現代数理統計学の基礎 4章 問16

久しぶりに問題解きましたので記事追加します。 条件付き期待値・分散の問題を解きたかったのでやってみました。 (1)から。全分散の公式の共分散バージョンといった感じですね。 を示す問題です。 条件付き期待値の変形を多用するので馴染みがなければこち…

2014-2021年の統計検定1級の出題範囲をまとめてみた(統計数理+医薬生物学+共通問題)【統計検定1級対策】

さて、そろそろ統計検定1級まであと3ヶ月となりました。 勉強時間が取れなさすぎて間に合うか不安しかないです(汗 そこで、ある程度は分野の重みづけをして勉強したほうが良いと思われますので、ここで改めて過去6年間の問題を見直して、出題された内容をキ…

現代数理統計学の基礎 5章 問9

4連休はガッツリお休みもらえていたのですが、下の子(1歳)の調子が悪く、常に不機嫌で最後となる本日明け方に嘔吐し、洗濯三昧で締めでした、、、。久々に新生児期なみの大変さを感じましたね。 さて、今回は現代数理統計学の基礎から標本平均と標本分散(…

現代数理統計学の基礎 5章 問7

あっさりした問題なので解答記事すら不要な気もしますが、復習がてらで書いてみます。 を示す問題ですね。 まずg(x)>0なのでマルコフの不等式から あとはg(x)=g(-x)の対称性とg(x)が増加関数であることを利用して左辺を変形すると となります。

現代数理統計学の基礎 5章 問8

ちまちまと「現代数理統計学の基礎」の忘れてる分野の解き直しを行ってます。色々忘れてますけど、やり直すたびに少しずつ理解が進むのは嬉しいことですね。 5章の問8は平均二乗収束を示す問題ですね。 確率収束を示す問題ではチェビシェフの不等式もしくは…

不偏分散の期待値と分散【統計検定1級対策】

2014年、2018年の統計数理でいずれも出題されており、重要なポイントではあると思われる不偏分散の期待値と分散の導出などを書きます。 目次: 不偏分散の期待値 不偏分散の分散 不偏分散の一致性 不偏分散の期待値 まず前提として平均、分散の分布をもつ確…

【統計応用・医薬生物学】ロジスティック回帰分析の数式とAIC・カルバックライブラー推定量【統計検定1級対策】

2018年の統計応用・医薬生物学にロジスティック回帰の式とモデル選択について問題が出ていたので基本的な概観を書いてみます。 基本さえ押さえていれば計算が煩雑でないので、知っていれば結構簡単な問題だったと思うのですが、逆に数理的な背景を知らないと…

現代数理統計学の基礎 4章 問15

さて、ここ最近は専門医試験のレポートに追われてあまり時間が取れません、、、。前に解いた問題をしばらく上げていきます。 今回は3変数における変数変換の問題ですね。 まずはX=の形に直してみてみます。 となることが分かります。 ここでヤコビアンは(…

現代数理統計学の基礎 4章 問14

2つの確率変数の変換問題を引き続きちょこちょこやります。 今回はカイ二乗分布同士を使った確率変数変換の問題ですね。 まず(1)ではWとZが独立であることを示します。同時確率密度関数がそれぞれの確率変数の積になる事を示せれば、独立であると言えます…

現代数理統計学の基礎 4章 問13

今回は同時分布関数を求める問題ですね。 W=0,1で場合分けして計算していきます・ W=0の場合は となるので、上の計算においてXとYを入れ替えたものになります。なので、結果としては同じものが導き出されます。 分布関数や確率の値を指定されたものに置き換…

現代数理統計学の基礎 4章 問12

標準正規分布に従う確率変数の比を求める問題ですね。 昨日の記事で書いたように、分布関数に立ち戻って考えていきます。 確率変数の和と比(和の分布・畳み込み・比の分布の変数変換)【統計検定1級対策】 - 脳内ライブラリアン まず、とすると となります…

確率変数の和と比(和の分布・畳み込み・比の分布の変数変換)【統計検定1級対策】

最近は専門医試験のレポート期限が迫ってきたことや日本語で書かないといけない論文もあって、ちょっと更新ペースが落ちますが、ぼちぼちやっていきます。 確率変数の和と比について変数変換するとどのようになるか、といった問題も時々出ています。比につい…

1標本のt検定と対応のある2標本のt検定の式をできるだけわかりやすく見直してみる【統計検定1級対策】

統計検定1級の統計応用で時折出題されるt検定について、数式がたまにこんがらがるのでまとめ直してみます。 目次: t分布とは t検定とは 1標本のt検定 対応のある2標本のt検定 t分布とは t検定がt分布に基づくものなので、まずはこちらを簡単に。 t分布は標…

現代数理統計学の基礎 4章 問23

今回は多項分布の問題を解きます。 まずは(1)から。 k番目の値が定まった時の条件付き確率関数を求める問題です。 なので となります。 続いて(2)。共分散を求める問題ですね。 i

現代数理統計学の基礎 4章 問21

統計応用医薬生物学の2019年問3をみると、今まで苦手意識が強かった共分散や多変量正規分布・多項分布も基本的なことはやらないといけないな、、と感じ始めたので、それに合わせて問題解いていきます。 ふと気づいたら、これまで4章は記事書いてなかったです…

実際の医学論文から統計を学んでみるⅥ -多重検定/ボンフェローニ法/ファミリーワイズエラー率-

最近読んでみた2016年のオピカポン(オンジェンティス)の第3相試験の研究で、多重検定が含まれてましたので、紹介しつつ学習してみようと思います。 元の論文はこちら。 Ferreira, Joaquim J., et al. "Opicapone as an adjunct to levodopa in patients wi…

【統計応用】95%信頼区間と2標本両側t検定【統計検定1級対策】

2016年の統計応用(共通問題)でこんな問題が出てました。 「2つのデータの95%信頼区間と2標本両側t検定の有意差の関係性を調べよ」 これって医療統計本の中では屈指の出来である(と個人的に思っている)「今日から使える医療統計(新谷歩著)」*1に出てき…

小ネタ集<コーシー・シュワルツの不等式、算術平均・幾何平均・調和平均、二項定理>【統計検定1級対策】

もともと数学は大の苦手分野なので、数学的な有名定理も全く馴染みがないのですが、統計検定の問題において必要とされることがあるので、自分向けの備忘録としてまとめておきます。 ひとまず目についたところでコーシー・シュワルツの不等式、算術平均・幾何…

現代数理統計学の基礎 3章 問10

統計検定1級ですが最近は解き方を1個1個細かくみるというより、過去問をどんどん解けるように練習中です。統計応用よりも統計数理の方が範囲が定まっているのでなんだか解いていると安心するという不思議な状態になっています、、、(汗 統計応用は知らない…

現代数理統計学の基礎 3章 問9

ポアソン分布に従う確率変数Xがλ→∞のときにが標準正規分布に収束することを証明する問題ですね。 2017年の統計検定1級の問3の最後で全く同じ問題が出ています。 お馴染みのテイラー展開を活用して解いていきます。 〜はどのような分布になるかか、という問題…

【統計応用・医薬生物学】Simonの2段階デザインについてわかりやすく【統計検定1級対策】

2017年の統計応用問3で出ていた問題が、サイモンの2段階デザイン(Simon's two-stage design)と呼ばれる、早期中止を含めた2段階のランダム化比較試験デザインでした。 抗がん剤の第2相試験で使われたりしているようですが、神経内科領域ではどうにも馴染み…

現代数理統計学の基礎 5章 問6

マルコフの不等式を使った問題をやってみます。 まずは(1)から。 標準正規分布に従うZに対して を証明します。 補足すると マルコフの不等式はXを非負の確率変数として と表されます。また とも言えるので、上記の1つ目の式変形ができます。 また2つ目の式…

変数変換・平方変換・確率積分変換【統計検定1級対策】

統計検定1級で頻出なテーマである確率密度関数の変数変換、平方変換、確率積分変換についてまとめてみようと思います。 目次: 変数変換 平方変換 確率積分変換 変数変換 まずは変数変換から。 確率密度関数に従う確率変数Xに対してg(X)=Yとしたときに、Yが…

現代数理統計学の基礎 5章 問5

統計応用もやりつつ、時々統計数理のほうも解いていっています。 今回は5章の問5。 順序統計量と平方変換の両方を使う良い問題です。 まずZ=min(X, Y)なのですが、これをどう表現するか。 解答例と同様に、順序統計量としてみて、一番小さい値と考えます。 …

【統計応用・医薬生物学】ノンパラメトリック法・ウィルコクソンの符号付き順位検定【統計検定1級対策】

引き続きノンパラメトリック法の検定についてみていきます。 ウィルコクソンの符号付き順位検定とは ウィルコクソンの符号付き順位検定は1標本の検定に使われるもので、対応するデータの差が正のときに1、負のときは0として(ここまでは符号検定と同じ)それ…

【統計応用・医薬生物学】ノンパラメトリック法・符号検定【統計検定1級対策】

2016年、2019年と出題されているノンパラメトリック法の検定について簡単にまとめておきます。 符号検定とは 符号検定は1標本に対して行われるノンパラメトリック検定です。ある対応するデータの差が正であれば1、負であれば0として、それをデータの数だけ足…