脳内ライブラリアン

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医療、健康、統計、哲学、育児・教育、音楽など、学んだことを深めて還元するために。

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医学

ここまでは知っておきたいメタアナリシスの読み方⑤ -研究の異質性-

今回で最後です。 研究毎の異質性の評価について書きます。 前回までの記事はこちら ここまでは知っておきたいメタアナリシスの読み方① -システマティックレビューとメタアナリシスの違い- - 脳内ライブラリアン ここまでは知っておきたいメタアナリシスの読…

ここまでは知っておきたいメタアナリシスの読み方③ -effect size, standard mean differenceについて/固定効果モデルとランダム効果モデル-

前回までの記事でメタ解析ではいかにして研究を集めて、バイアスリスクを評価するか、について述べました。今回からはいよいよメタアナリシスの肝である、集めた結果をどう統合するかを説明します。 まずは結果どうしが異なる指標の場合どうするか、というこ…

ここまでは知っておきたいメタアナリシスの読み方② -バイアスリスクについて(risk of bias)-

前回記事はこちら ここまでは知っておきたいメタアナリシスの読み方① -システマティックレビューとメタアナリシスの違い- - 脳内ライブラリアン 引き続きメタ解析の読み方について紹介していきます。 目次: バイアスリスク 報告バイアス(reporting bias) ①F…

ここまでは知っておきたいメタアナリシスの読み方① -システマティックレビューとメタアナリシスの違い-

以前は生存時間解析の論文を、ロジスティック回帰分析やハザード回帰分析の詳細をみつつ紹介しました。 medibook.hatenablog.com 次はエビデンスでいうと最も信頼性が大きく強いメタ解析(meta-analysis)について書いてみます。 一番強いエビデンスでありなが…

脳波について自習してみる③ -突発性の異常(正常亜型)-

脳波の自習まとめを引き続き暇あればやってます。 前回記事はこちら 脳波について自習してみる② -非突発性徐波- - 脳内ライブラリアン 今回は突発性の異常所見のなかで正常亜型について。 これが一番難しいと思うんですよね、、、。アーチファクトとの見分け…

脳波について自習してみる② -非突発性徐波-

引き続き脳波で勉強した内容を書いてみます。 前回記事はこちら。 脳波について自習してみる① -優位律動 正常・異常- - 脳内ライブラリアン 優位律動の次は持続性にみられる徐波についてです。 非突発性徐波 δ波 0.5-4Hzθ波 4-8Hz によって形成される。 ①周…

脳波について自習してみる① -優位律動 正常・異常-

専門である神経内科の知識はほっといても仕事で勉強しますし、知識も使うので記憶に残りますから、あまりこのブログで書いたりはしてないのですが。 ただ、普段は使ってないけど、学ばないといけない知識というのもありまして。 例えば脳波検査は勤務先だと…

グラム陰性菌菌血症の治療期間に関するRCT【JAMA】

さて、今日は専門的な内容でちょっと普段の診療に役立ちそうなものを。 昨日出たJAMAの論文です。 Effect of C-Reactive Protein–Guided Antibiotic Treatment Duration, 7-Day Treatment, or 14-Day Treatment on 30-Day Clinical Failure Rate in Patients…

検査による確率変動の算出方法 -尤度比と検査前後確率/オッズについて-

医師が診断をするときにどのように その病気らしい/らしくない、を判断していくのか。 具体的な確率で数値化することは情報が揃っていればできます。 ただ診断をつけるときにその疾患である確率を 実際の診療で細かく計算したり、イメージすることはないので…

Paroxymal Sympathetic Hypersensitivity

今回は頭部外傷、低酸素脳症・蘇生後脳症、脳卒中後で 交感神経症状(高体温、発汗、頻脈、頻呼吸)が強力に現れる 症候群についてのreview articleをまとめました。 そもそもそんな症候群を認識したことがなかったのですが 確かに脳梗塞後で特にかなり広範…

クロイツフェルトヤコブ病 CJD MV2型についてのまとめ

明けましておめでとうございます。 何だかんだと言いながら伸びに伸びての久々の更新となりました(汗) ちょっとずつ骨のある記事を書くよう今年は精進して参ります。 早速専門領域の話についてまずやっていきます。 一般的には狂牛病の名前で有名になった…

ESUS (Embolic Stroke of Undetermined Source)について③

今日はESUSの続きについて。再発予防の話です。 参考にされる代表的なstudyとしてはまずWARSS試験(N Engl J Med 2001; 345:1444-1451)があると思います。 2001年のstudyで非心原性脳梗塞の2206例に対し、ワーファリン(PT-INR1.4~2.8になるよう調節)とア…

ESUS (Embolic Stroke of Undetermined Source)について②

引き続きESUSについて。 現在ESUSの原因として挙げられるものには以下のものがあります。 ・低リスクの心内塞栓源・大動脈粥腫状病変・腫瘍関連・奇異性塞栓(・潜在性発作性心房細動) 順番に見ていきましょう。 1、低リスクの心内塞栓源 大動脈弁狭窄、キ…

ESUS (Embolic Stroke of Undetermined Source)について

ちょっと調べていたのでたまには医学の話題を。 ESUSという概念は2014年ごろから出てきたもので 原因不明の塞栓性の脳梗塞の話です。 もともと1990年代のTOAST分類において 脳梗塞はアテローム性、ラクナ、心原性と主だったもの以外に 潜因性脳卒中(Cry…

救急外来診療におけるエラー③

前回紹介した認知エラーについての元論文はDiagnostic Error in Internal MedicineArch Intern Med. 2005;165(13):1493-1499. doi:10.1001/archinte.165.13.1493という論文で、同じ著者のMark L. Graberが書いている別の論文(↓)が今日紹介するものになりま…

救急外来診療におけるエラー②

昨日に引き続き、診療におけるエラーのお話。参考文献は「長谷川耕平・岩田充永 内科救急見逃し症例カンファレンス 医学書院」です。 大まかに分けて4つのエラーとそれに従ったタイプがあります。知識→それによる情報収集→情報の処理→情報の検証 それぞれの…

救急外来診療におけるエラー

さて、今日は1日救急外来診療でした。うちの病院は他の周囲の病院と同様に研修医と自分たちのような後期研修医さらに上級医が救急対応に当たるんですけどもやっぱり救急外来というのは何でもかんでも来るので本当に入院時には診断が分からない症例というのも…

30年の縦断研究からみた新規抗てんかん薬の効果とは②

昨日は結局仕事で更新できずここのところ順調だった連続更新が一旦止まりましたがまあどうにもならなかったので気にせずいきます。 今回は引き続き前回紹介したてんかんの縦断研究の論文の話。 Treatment Outcome in Patients With Newly Diagnosed Epilepsy…

30年の縦断研究からみた新規抗てんかん薬の効果とは

医療系と言っておきながらしばらく触れられていなかったのでたまには今年の読んだ論文について触れておこうと思います。 今回紹介するのはこれTreatment Outcome in Patients With Newly Diagnosed Epilepsy Treated With Established and New Antiepileptic…

脳梗塞tPA治療の時間にまた新しい変化が NEJM "MRI-Guided Thrombolysis for Stroke with Unknown Time of Onset"

さて今日から神経内科学会が開催されており、北海道に来ております。 脳卒中の講演で話されていたのですが5/16付けのNEJMから tPAの治療適応時間を揺るがす新しいエビデンスが出て来たようです。 ”MRI-Guided Thrombolysis for Stroke with Unknown Time of …

心音の復習 国試・認定医試験向け

専門的内容再びです。 書いたりするとより覚えられたりするかなあというところで。 医師は国家試験の他に、認定医や専門医みたいな資格があって 色々試験を受けないといけないんですね。 で、まあ毎度毎度クソ暗記をさせられるわけで。 いつまで経っても勉強…

神経伝導検査の備忘録2

前回に引き続いて神経伝導検査について学んだことの備忘録を。 2ー1、運動神経と感覚神経 伝導検査で調べることができるのは 運動神経と感覚神経にそれぞれ分かれます。 運動神経は神経を電気刺激して、それが伝わって出てくる筋肉の動きの電位を調べます。 …

神経伝導検査の備忘録1

今回は医学専門の話です。 最近ようやく末梢神経伝導検査の勉強を始めました。 難しい本が多すぎて正直物理とか数学とか苦手な人間には 疲れる本が多すぎてよくわからなかったのですが 「神経伝導検査必携ハンドブック 長谷川修 著」が非常に分かりやすくて …

カテーテル血流感染(Catheter-Related Blood Stream Infection)のガイドライン抜粋まとめ

今回は医学の話を。 先日少しカテーテル血流感染について勉強しました。 カテーテル血流感って科に関わらず、結構困ることが多いと思うんですよね。 「この患者さん熱続いてるんだけど原因がわからんな」 「まさかCVからかなあ・・・?」 「でも抜いたらまた…