【期間】period/ term/ durationの違い【医学論文の英語表現】
体調不良と発熱により1週間ほどブログ更新できませんでした。結局ただの上気道炎だったわけですが、治ってきたと思ったら、下の子が胃腸炎でゲロゲロしてまして、睡眠時間を削られ回復がまた遅れ、、、さらに上の子も下痢になり、現在は家庭内で胃腸炎が拡大中です。恐ろしい。久しぶりにこんなに間隔空きましたね。
以前にちらっとやっていた「医学論文の英語表現をコーパスで勉強してみよう」と言う学習方法を最近読んで感銘を受けた『英語学習法』に従って、もう少し詳しくした形でやってみようと思います。
自分自身はネイティブでもなければ、留学経験もあまりないので、基本的に学習の備忘録的意味合いが強いです。なのでまあ情報は参考程度にお願いします。
目次:
やり方
やり方としては、まず、実際の論文を読み進めた上で『英語学習法』で述べられた以下の条件の理解が乏しい単語かつ、比較的出会う頻度の高い単語をピックアップ。
①その単語が使われる構文
②その単語と共起する単語
③その単語の頻度
④その単語の使われる文脈(フォーマリティの情報を含む)
⑤その単語の多義の構造(単語の意味の広がり)
⑥その単語の属する概念の意味ネットワークの知識
(『英語独習法』第5章より引用)
次に、日本語で同様の意味の単語を抽出し、その違いを説明できるようにしていきます。
いい感じに記事にできそうなものは記事にしていきます。
今回はいずれも"期間"を表す単語であるperiod/ term/ durationの違いについて書いてみようと思います。
単語の意味と共起表現、クラスター
英英辞典での単語の原義から順番に見てみます。
・period
a length of time
・term
the fixed period of time that something lasts for
(*1より引用)
さて、termの原義にperiodが含まれているわけですが、、、
この時点でperiodの方がより一般的に「ある時間の長さ」を示す単語であるのに対し、termは「何かが続いている決められた時間」を示すことが分かります。
また、全体にtermの方が長い期間を示す感じがあります。
例えば、学校の授業に関連した単語としてどちらも使われますが
・period
in school, a division of time in the day when a subject is taught
→つまり、「時間」「時限」に相当するのに対して
・term
one of the periods into which a year is divided at school, college, or university
→「1学期」「2学期」などに相当します
やはり、periodの方が短いイメージです。
また、例えばスポーツの試合の区切りなんかもperiodが使われます。
実際SKELLでのコーパスを見てみます。
関連する主語、目的語などは"term"が他の意味合いもあることがあって、比較しにくいですが、modifiers of term/period(就職語句)をみてみると
period - long, time, short, extended, month, late, year
などが並ぶのに対して
term - long, short, four-year, five-year
など長めな年数が見受けられます。
さて、もう一つdurationについて、原義からみていきます。
・duration
the length of time that something lasts
これも時間の長さを示しますが、何かが続いている期間を指し示すことが特徴です。
医学論文でよくみられるものとして、disease duration(罹病期間)なんかがありますね。
これもコーパスで修飾語句を見てみます。
average, mean, medianなど統計関連の語句が見受けられ、学術的な用途で使われやすいことがなんとなく汲み取れます。
医学論文を含めた用例
・period
the total duration of the double-blind period was 14–15 weeks
(Lancet Neurol 2016; 15: 154–65)
最近読んだ論文からですが、二重盲検の期間などを指し示す場合はperiodが使われています。比較的短い時間のためperiodがしっくりくる感じですね。
また、長さをより具体的に指し示す単語としてdurationも冒頭に入っています。
・term
Ocular myasthenia gravis: Response to long term immunosuppressive treatment (Journal of Neurology Neurosurgery and Psychiatry, (1997))
医学英語でtermといえばlong-termですね。
treatment, effect, use, outcome, use, results, follow-upなどなどの単語と組み合わされて使用されます。数年くらいはみているイメージですね。
・duration
Effect of C-Reactive Protein–Guided Antibiotic Treatment Duration, 7-Day Treatment, or 14-Day Treatment on 30-Day Clinical Failure Rate in Patients With Uncomplicated Gram-Negative Bacteremia
(JAMA, (2020), 2160, 323(21))
このような感じで、Treatment duration(治療期間)もよく使われます。何かの行為をしている期間を指し示すことが多いので、想定される行為が修飾語句として登場します。例えば授乳期間はbreastfeeding durationとなりますね。
さて、初めてなのでなかなか上手くまとめるのが難しかったですが、しばらくちまちまと『英語学習法』に沿って医学英語を上達させるべく勉強していきたいと思います。
参考文献/引用元:
*1 『英語学習法』
*2
Cambridge Dictionary | English Dictionary, Translations & Thesaurus