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ガンマ関数とベータ関数の関係性を整理【統計検定1級対策】

通勤時間で色々本は読むのですが、いかんせんブログを書く時間が作れません。

 

今日はとりあえずさっとできそうなことで、引き続き統計の勉強内容を書きます。

 

ガンマ関数とベータ関数は統計のみならず、必要となってくる内容らしいですが、統計学ではガンマ分布、ベータ分布とそれぞれの関数を使った確率分布があるので、同じく必要です。

 

二つの関数の関連について式を書いて整理してみます。

 

ガンマ関数とベータ関数の関係式

定義の確認ですがガンマ関数は

\Gamma(a)=\int_{0}^{\infty}x^{a-1}e^{-x}dx

でした。

 

階乗の一般化と呼ばれ、aが自然数のとき\Gamma(a)=(a-1)!が成り立ちます。

 

ベータ関数は

B(a,b)=\int_{0}^{1}x^{a-1}(1-x)^{b-1}dx

でした。

 

二つの関数の関係式は以下です。

B(a,b)=\frac{\Gamma(a)\Gamma(b)}{\Gamma(a+b)}

 

今回はこの証明をやろうと思います。

 

ガンマ関数とベータ関数の関係式の証明

 

証明でポイントとなるのは極座標変換と平方変換です。まず、関係式の右辺の分子であるガンマ関数の積を平方変換します。

 


\Gamma(a)\Gamma(b)=\int_{0}^{\infty}x^{a-1}e^{-x}dx\int_{0}^{\infty}y^{b-1}e^{-y}du

 


これをx=t^2,y=u^2とおくと

dx=2tdt,dy=2uduであり、積分区間は変わらないので

 


\Gamma(a)\Gamma(b)=\int_{0}^{\infty}t^{2a-2}e^{-t^2}2tdt\int_{0}^{\infty}u^{2b-2}e^{-u^2}2udu\\=4\int_{0}^{\infty}t^{2a-1}e^{-t^2}dt\int_{0}^{\infty}u^{2b-1}e^{-u^2}du

 


ここでt=rcos\theta,u=rsin\theta極座標変換をします。

ヤコビアンはrとなることから

dtdu=rdrd\thetaなので


4\int_{0}^{\infty}t^{2a-1}e^{-t^2}dt\int_{0}^{\infty}u^{2b-1}e^{-u^2}du\\=4\int_{0}^{\infty}\int_{0}^{\infty}t^{2a-1}u^{2b-1}e^{-t^2-u^2}dtdu\\=4\int_{0}^{\frac{2}{\pi}}\int_{0}^{\infty}cos\theta^{2a-1}sin\theta^{2b-1}r^{2(a+b)-1}e^{-r^2}drd\theta\\=4\int_{0}^{\infty}r^{2(a+b)-2}e^{-r^2}dr\int_{0}^{\frac{2}{\pi}}cos\theta^{2a-1}sin\theta^{2b-1}d\theta\\=2\Gamma(a+b)\int_{0}^{\frac{2}{\pi}}cos\theta^{2a-1}sin\theta^{2b-1}d\theta

 4個目から5個目の式の変換はr^2=s,  2dr=dsとして平方変換を戻してます。

 

かなりもとの式に近づいてきました。

あとは2\int_{0}^{\frac{2}{\pi}}cos\theta^{2a-1}sin\theta^{2b-1}d\theta=B(a,b)が証明できれば完了です。

 三角関数からもとの数字に戻せば良さそうなので

cos\theta^2=x,  2cos\theta sin\theta d\theta=dxとおいてみると

 

2\int_{0}^{\frac{2}{\pi}}cos\theta^{2a}sin\theta^{2b}2cos\theta sin\theta d\theta\\=B(a,b)=\int_{0}^{1}x^{a-1}(1-x)^{b-1}dxとなります。

 

これで関係式が証明できました。平方変換、極座標変換のいい練習になりますね。

 

ベータ関数とベータ分布は全然深く勉強しておらず、ベイズ推定も避けてきてるのでこれから是非やろうかなと思います。