脳内ライブラリアン

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現代数理統計学の基礎 7章 問7(3)-ガンマ分布とベータ分布の関係性-

引き続いて、問7(3)です。

 

(2)で出てきたZがどんな分布になるかという問題。

 

公式の解答では当然のごとく、ガンマ分布に従う確率変数X、Yであれば\frac{X}{X+Y}\sim B(n,m)となっています。

 

せっかくなので証明をやってみます。

 

まずは変数変換を用います。

\frac{X}{X+Y}=Z, X+Y=W

とします。

 

すると

X=WZ, Y=W(1-Z)となります。

 

ヤコビアン

J=-wz-w(1-z)\\=-w

 

よってXとYの同時確率密度関数にそれぞれを代入して

f_{w,z}\\=\frac{\theta^n}{\Gamma(n)}(wz)^{n-1}exp(-\theta wz)・\frac{\theta^m}{\Gamma(m)}\{w(1-z)\}^{m-1}exp\{-\theta w(1-z)\}w\\=\frac{\theta^{n+m}}{\Gamma(n)\Gamma(m)}w^{n+m-1}z^{n-1}(1-z)^{m-1}exp(-\theta w)

となります。かなりベータ分布らしい形になってきました。

 

最後に不要なwを消して、zの周辺確率密度関数を求めれば良いので、wで積分すると

f_z\\=\frac{1}{\Gamma(n)\Gamma(m)}z^{n-1}(1-z)^{m-1}\int_0^\infty(\theta w)^{n+m-1}\theta exp(-\theta w)dw

\theta w=tと置換すると後半部分はガンマ関数になるので

=\frac{\Gamma(n+m)}{\Gamma(n)\Gamma(m)}z^{n-1}(1-z)^{m-1}\\=\frac{1}{B(n,m)}z^{n-1}(1-z)^{m-1}

となります。

 

後の有意水準はベータ分布を使って解答通り範囲を示せばおしまいです。