脳内ライブラリアン

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医療、統計、哲学、育児・教育、音楽など、学んだことを深めて還元するために。

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ブログを書くことを習慣づける方法 ①

前回ブログを継続する方法と銘打っておきながら早速更新期間が
空いてしまいました。
風邪ひいたりしていて、普段の生活が辛かったので、、という言い訳も
できますが、もう一度ここで懲りずにブログを続けるための方法を考えたいと思います。

 

先日読んだ本で、これはブログを続ける習慣づけに役立つし非常に面白い、と思ったのが佐々木典士「ぼくたちは習慣でできている」(ワニブックス)。
フリーライターさんで「ぼくたちにモノはいらない」というミニマリストについての本も書かれている方ですが、前作は読んでいないものの、今作を読んだだけでも中々のインパクトを受けました。

 

・今回ブログを習慣づけられなかった理由

 

先ほどの本には習慣をつくるための50のステップという章があります。
50って多すぎるでしょ、と思ったのですがこれが一つ一つ読んでいると
なるほど納得できるtipsがたくさん書かれています。
いくつか引用しつつ自分の状況に当てはめてみたいと思います。

 

『STEP13 とにかくハードルを下げる』
習慣をつくるためには「距離と時間」、「手順」、「感情」を考慮する必要があると
書かれています。それを調整することでその行為を始めるまでのハードルを下げることができます。
考えてみると、ブログを書くこと自体はiPhone, iPad, PCと確かにどこでも
できるのですが
・PCのはてなブログの起動が遅すぎて書くまでの手間が大きい
iPhone, iPadはタイピングに時間がかかる
というのが手順という点においてハードルになっていることに気づきました。
また
・たくさん書こう、いい文章を書こうとしすぎる
ということがブログを書くにあたって、プレッシャーに勝手にしており
更新への感情のハードルになっていたと思われます。

1つ目に関してはPCやipadのキーボードで打ち込んでブログの構成画面にコピペする
という手段を取れば少しは改善するように思います。
2つ目に関してはとりあえず最初のうちは気にしないことにしました。。

 

まずはこうしてハードルを下げることから始めていきます。
続きます。

【書評】脳が認める勉強法 ベネディクト・キャリー著 花塚 恵訳

勉強法の本というと常に本屋で平積みにされているくらい多くあって

かつ人気の本ですが、この本は他の勉強法の本とは「科学的根拠」という点で

一線を画しています。

 

勉強法の本では例えば「東大生の認める~」「ハーバード大卒の~」

「起業して~万円稼ぐ人の~」というように、一般に成功者とされる

学歴・職業の人のいわばcase study(一例報告、よくてもあるグループで

ひとまとめにした程度)が多くあります。

 

こうした本はあくまで個人例であるので普遍性にかけることと

自分に適応できないかもしれないということが問題点として存在します。

適応できない、というのはつまり自分のなりたい目標ややりたいことと一致するか

どうかで、別に東大生やハーバード大学卒になりたいわけでもなければ

あんまりそういった勉強法を特別視する必要性もないと思います。

 

その点本書では、それぞれの勉強法の根拠を過去の研究にまでさかのぼって丁寧に

根拠となる論文・研究を洗い出しています。例えば「エビングハウス忘却曲線

は非常に有名な記憶に関わる研究ですが、そこで使われた記憶するものって

何だったかご存知でしょうか。さらに忘却曲線の経過に沿わない場合もある

というのは知っていたでしょうか。本書にはこれらの内容についても

詳細に触れられています。

 

第1章では脳自体の記憶するシステムについて触れ、その後記憶力を高める方法、問題解決するためのひらめきを生み出す方法、また学習における無意識の力、と話が進められていきます。どんな内容の勉強をする人でも幅広く応用できる、普遍的な知識が詰め込まれており、自らの勉強方法を見直してみたい、そんな学生から社会人まで強くお勧めできる良書でした。

blogを毎週更新するためには

今度こそ継続して書こう、と思いながらまたブログを書く間隔が空いてしまいました。

ブログ書くのってなかなか持続できないなあ、なんとかならないかなあ

というのを考察したのが今回の記事です。

 

ネット上のブログをみると、最初のうちだけで止まってしまっている人は一杯います。

逆にすごく長く続いて、書籍化までされているような人もいます。

書籍化されないまでも長く続いているブログであれば活発な意見交換がなされていることが多いです。

どうして長く続けることが難しいんでしょうか。

 

ブログなどでアウトプットをすること、は一番効率の良い勉強法であるといわれています。それにもかかわらず、アウトプットの継続ができない。

自分の場合、理由としてこんなことがありました

 

・書くメリットがはっきりしない

・書く内容がみつからない

・ブログを書く時間がない

 

そんな悩みを本から学びつつ、具体的に解決法を調べてみました。

 

目次:

 

 

書くメリットがはっきりしない

ブログを書く意味って何でしょうか。

 自分の場合は読書で学んだことを、つなげる先が見つからず

その知識をどうにか深めたい、ということが最初に浮かんだことでした。

 

「ただ読む」ということは、文章を書くことと違って、楽です。

時間もかからない、構成に頭を悩ませることもない、批判されることもない。

しかし、それって意味があるって言えるんでしょうか。

その内容をもとに何か議論をしたり、文章を書いたりと外に出していくことで

初めて自分に影響を与えているといえるでしょう。 

 

またアウトプットをすること自体が冒頭に書いた通り、学習・記憶の面では

優れています。コロンビア大学の心理学者による研究では、本に書かれた

人物プロフィールの暗唱を「覚える時間(インプット)」と

「練習する時間(アウトプット)」を指定し、こどもたちにやらせたところ

約40%をインプットに割く(年長児では30%)場合が最も成績が良かった

とされています。全くほかの学習内容でも同様とは限りませんが

アウトプットの機会を多く設けることが重要であることは間違いないと思います。

 

書く内容がみつからない

普段の仕事でなかなか時間に追われて書く事がみつからない

頻繁に更新しようとすると何を書けばいいか困ってしまう

 

こういった疑問に対しては『20歳の自分に受けさせたい文章講義』という

本がうまく答えてくれました。

 

ベストセラーとなった『嫌われる勇気』のライターである古賀史健さんの本なのですが

文章を書こうと思ってかけない、そんな人へのアドバイスが詰め込まれています。

 

その中では文章を書く、ということは

伝えたい頭の中のぐるぐるを翻訳する、ことだと書いてあります。

どういうことなのか。

 

例えば自分が「この症状はある病気を診断するのにとても役立つ!ぜひ診断に役立ててほしい!」という医学的な知識を人に伝えようとした場合。

普通の患者さんに伝えようと思ったら、専門用語は使わずに噛み砕いて

書く必要があります。さらにどれくらい症状が続いたら受診するとよいのか

どんな検査をされるのか、どこの科を受診するのか

といった情報も書くとより自分の目的が達成されやすいでしょう。

 

逆に同業者であれば専門用語を使って簡潔にまとめつつ、

ほかにどんな病気が紛らわしいのか、どんな検査が診断に有用なのか

その情報の根拠となる論文はどれなのか、などを伝えると

この情報が「役立つぞ!」ということをよりうまく伝えることができます。

 

つまり、自分の頭の中の伝えたいこと(=ぐるぐる)を文章にして

「読者」にわかるように言葉を選ぶ、ことが文章を書くということなんです。

 

こうなると「読み手」と「伝えたいこと」を自分に問いかけていけば

自ずと言葉は出てくるのではないでしょうか。

 

ここで言葉にしたときに、自分が伝えたかったことを見直すことで

自分の中にある情報を再構築・再発見・再認識

することが書かなければ気づかなかったことに

気づくことができる、という点で一番の学びの機会になるのだと思います。

 

ブログを書く時間がない

 これには2パターンの理由があるように思います。

一つは書くことにあてる時間がもったいないと感じてしまう場合

もう一つは書く時間自体が本当にない場合

 

時間がもったいない場合というのはつまり他の行動に比べて

書くことの優先順位が低いということに他なりません。

 

確かに書くことは時間もかかるし、レスポンスもあるかどうかわからないし

あえてそれをしなくても生活はおくれるし、やらなくてもいいことかもしれません。

 

ただ、書くことは自分の伝えたいことを人に伝わるように整理して論理づけて

考えていくことであり、せっかくの自分の考えや知識をそのまま

誰にも伝えようとせず押し込めておくのはもったいないのではないでしょうか。

 

意外と世の中みんな同じようなことで悩んだり、同じようなことでつまづいたり

している人は多くいるはずです。

そうした人の役に立つことはあるでしょうし、場合によってはお互いに刺激して自分の役に立つこともあるかもしれません。

そう考えるとふと自分が思ったこと、程度であっても書く価値はあるものだと

思います。

 

また、もう一つのパターンの短い時間しか残されていない場合はどうするか。

結構自分は今回の文章にも時間がかかってしまいましたが、書こうと思えば

短い文章でも書けるんです。

といってただのツイッターではそれだけで書く能力が磨かれるわけではないので

最低限の構成要素として、主張・理由・根拠の3本立てで書くのはどうでしょうか。

論理的な文章にはなると思います。

 

ちなみに長い文章を書きたい場合でも長時間の空きは必要ありません。

人間の集中力は意外と思っているほど長く持たないようです。

5-10分程度であれば集中は十分保てますが30分,60分となってくると

どんどん集中力は低下します。

 

その根拠として最近の研究では分散学習のほうが効果が高いことが

証明されています。短時間に様々な分野の勉強をして、毎日繰り返すほうが

一日で長時間一つのことに取り組むよりも成績の上昇がいいことがわかっています。

文章についても少しずつ構築していったほうが、書いた内容を深く学べる

ことでしょう。

 

 

 参考文献:

『脳が認める勉強法 「学習の科学」が明かす驚きの真実』

ベネディクト・キャリー著 ダイヤモンド社

『ムダにならない勉強法』

樺沢紫苑著 サンマーク出版

『20歳の自分に受けさせたい文章講義』

古賀史健 星海社新書

脳梗塞tPA治療の時間にまた新しい変化が NEJM "MRI-Guided Thrombolysis for Stroke with Unknown Time of Onset"

さて今日から神経内科学会が開催されており、北海道に来ております。

 

脳卒中の講演で話されていたのですが5/16付けのNEJMから

tPAの治療適応時間を揺るがす新しいエビデンスが出て来たようです。

 

MRI-Guided Thrombolysis for Stroke with Unknown Time of Onset”という論文ですが

概要としてはwake up strokeと呼ばれる最終健在がよく分からない脳梗塞に対して

MRIでdiffusion highだがFLAIRで異常が描出されない場合に

tPAをうったところどうなるか、という研究です。

 

最終健在がむしろ4.5時間以上ではっきりしている場合はうっていません。

結果としてはmedian mRSがtPA群で1、placebo群で2という結果で

副作用は有意差なくやはりtPA有効だったようでした。

 

これはまた救急隊とのやり取りがややこしくなりそうですね・・・。

ガイドラインも改訂されるのでしょうか。

神経内科医の仕事がまた増えていきますね。

 

 

 

心音の復習 国試・認定医試験向け

専門的内容再びです。

書いたりするとより覚えられたりするかなあというところで。

 

医師は国家試験の他に、認定医や専門医みたいな資格があって

色々試験を受けないといけないんですね。

で、まあ毎度毎度クソ暗記をさせられるわけで。

いつまで経っても勉強から解放されないわけです笑

 

今回は認定医試験に何故かやたら出てきている心音・心雑音について。

ざーっと思い出しつつ書き出してみます。

結構適当なこと言ってる気もしますが、覚え方の参考になれば。

 

○1音の異常

1音が亢進するのが

弁が硬くなるMS、押し出した後の部分の圧が高くなるhyper dynamic state

1音が低下するのが

上記の逆でMR、hypo dynamic state、あと例外的にAR

 

○2音の異常

2音は大動脈のA音と肺動脈のP音がありますね。

それぞれ書いていきます。

A音の亢進するのが

1音の場合はと逆でAR、押し出した後の部分の圧が高い高血圧

低下するのが

それぞれ逆でAS、低血圧

 

P音が亢進するのが

PR、押し出した後の部分の圧が高い肺高血圧

低下するのが

PS、相対的PSになってしまうASD(心房中隔欠損)

 

○2音の分裂

固定分裂 ASD

奇異性分裂 後負荷がかかるやつ 高血圧、AS、HOCM、LBBB

病的分裂 MR、PS、RBBB なんか肺動脈のほうに負荷かかりそうなやつ

 

○3音

心室進展低下で起きるとかなんとか

心不全

MR、ARなど逆流系

ASD、VSD、PDAなど前の部屋に戻ってきて負荷増える系

全然壁が進展しない拡張型心筋症

 

○4音

心房収縮で心室が拡張しないやらなんやら

3音もそうだけど説明がイマイチわからんのですよね 

心不全、虚血性心疾患

AS、高血圧など後負荷増える系

HCM、HOCMなど心筋肥大系

 

あとは続いて心雑音について

 

○収縮期雑音

1、駆出性雑音

しゅーっと出て引いてくやつ

出る先の圧がたかいから収縮力の変動に応じて音が変動するのかなと思っています

AS、PS、HOCMなど両側の心室系から出るやつ

ASDECD=相対的PS系

 

2、全収縮期雑音

ずーっと音出てるやつ

出る先の圧が低いからずっと出るのかなと思ってます

VSD、MR、TR

 

○拡張期雑音

1、早期雑音

灌水様=逆流性=高音の雑音です

なんか3つ用語が並ぶとハンターハンターみたいですね

AR、PR

 

面倒なのが特殊な名前がついているやつ。

Graham Steell雑音

MS→PHT→PRで出てくる雑音

吸気時に増強するのがポイントらしい。

 

2、中期雑音

=ランブル=低音=ベル型で聞け

MS、ASD

 

名前付いている系がこちらにもあって

Carey Coombs雑音

VSD、PDA、MR

=どれも相対的MS起こすやつ

左心系の逆流系が大体でしょうか

Austin Flint雑音

AR

 

○前収縮期雑音

MS

○連続性雑音

PDA、valsalva静脈洞破裂、A-Pwindow、動静脈瘻など

○to and fro雑音

行ったり来たり収縮も拡張も雑音

ARとVSDの合併

AS+AR

 

終盤説明が雑なのもありますがざっとこんな感じですかね。

ある程度これで点数稼げるといいなあ。

オーディオブック聴き放題サービス比較

ここ半年くらい通勤が往復2時間と長くなったので

オーディオブックをよく利用しています。

 

なじみがない人もいるかもしれませんが

本を読み上げてくれるようなもので家事している最中とか通勤途中に

聞くことで読書ができる、という素晴らしいものです。

 

最近は聴き放題のサービスが大まかに「Audible」と

「Audiobook.jp(旧FeBe)」の2社から出ており

どっちも利用してみたのでせっかくなので感想でも書きたいと思います。

 

1、Audible

Amazonが経営母体となっている海外のオーディオブック会社です。

月額1500円での聴き放題サービスをやっています。

タイトル数も比較的豊富で角川や朝日新聞出版などの本が多く並びます。

もうひとつのaudiobook.jpもそうなんですが偏りが結構強くて

ビジネス関係の自己啓発本が圧倒的に多いですね。

最近の話題でいうとAI関連の本(「人工知能は人間を超えるか 松尾豊」)なども

あったりそれ以外の本も出版社によっては抑えているというのがいいところです。

小説もハンガーゲームとかダイバージェントのような海外映画作品の原作やら

懐かしのスレイヤーズなどの角川系はそろってます。

 

もともとオーディオブック自体の単価が高い(4000円以上がザラ)なので

1500円でここまで聴けるならいいのかなと思います。

ただ2014年前後の古めな本が多いのと、ジャンルに偏りがあること

似たような系統の自己啓発本も多いこと

よく知らない著名人の語りを1タイトルとしてカウントしていること、があり

3か月ほど利用してますが思ったほど読みたい、となる本が少なくなってきました。

新規タイトルもジャンルの偏り自体は変わらないので結局読みたい本が追加されることはあまりなさそうです。

 

2、Audiobook.jp

なんとAudibleよりさらに安い月額750円で聴き放題という驚愕のサービス。

今年に入ってからの新サービスなのでまだまだ今後に期待はできます。

Audibleのあとにこちらを利用し始めたのですが正直言って値段相応というところ。

タイトル数こそ同じような数を出していますが、本として出版しているものではない

podcastのようなものが多いです。

本自体の質もあまり高くないですし、値段なりで仕方ないのかな。

単品購入できるものはここ最近の注目本も含まれていて

魅力的なんですが高いんですよね。会員になって定期的に読むようなら

単品購入でもお得なサービスがあるのでどうしてもオーディオブックがいいという方で

Audibleにも、ここの聴き放題にも飽きたら会員になって長期での単品購入を見越すと

良いかもしれません。

 

あと個人的にいまいちだと思うのがアプリのユーザーインターフェース

本がだらーっと一覧出てくるか、よくわからないジャンル分けされるかでしか

表示できず、魅力もないですし、一覧でみるといかに本当に出版されている本が 

 

少ないかがわかります。

 

 

3、まとめ

 

  Audible Audiobook.jp
値段 月額1500円 月額750円
タイトル数 約1万2000 約1万
会社 Amazon オトバンク
システム 聴き放題のみ 聴き放題+単品購入
スマホアプリ あり あり

 

表にまとめてみました。

結局なんだか批判的になってしまったのですが

聴き放題はしょせん聴き放題ということで、読める内容には限界がありますね。

質としてはAudibleのほうがおすすめですが、先にAudiobook.jpから試してみても

いいかもしれません。最終的に深く利用していくならAudiobook一択ですね。

聴き放題だけで考えるならAudiobookは1か月もせず読むものがなくなり

Audibleは3か月くらいは楽しめたのでAudibleのほうが個人的にはおすすめしたいところです。皆さんも通勤時間など耳が暇な時間が多い人は

ぜひオーディオブックをお楽しみください。

映画「レディプレイヤー1」

ゴールデンウィークにはしゃぎ過ぎたせいで片頭痛が出てきて更新しばらくできませんでした。

 

連日2日で久々に映画を観てきたのですが2本目に観たのがこれ、レディプレイヤー1。

一部ネタバレ含みます。

 

舞台は2045年のアメリカで、”オアシス”と呼ばれるVRゲームが大ヒットしています。

 

”オアシス”では好きなキャラクターで好きなように行動することができる(ただしお金はある程度必要、ゲームオーバーになるとかけたお金もパーになる)というかなりのめりこめる出来。

 

ただ現実世界はまあまあディストピアな雰囲気になってまして、主人公が暮らす地域はコンテナのような家で皆生活していたり、ゲームに課金しすぎて強制労働所みたいなところに送られる人もいます。

 

物語はゲームを創ったハリデー氏が亡くなったことから始まります。彼がゲーム内に隠したアイテムを3つみつけることで会社の相続権と”オアシス”の運用権を得られると宣言しました。プレイヤーや企業が次々とそれを探し回りますがなんと5年間1つのアイテムもみつからず。恵まれない家庭環境にいるオタクな主人公がそのアイテム探しにチャレンジしていく、というのが主なストーリーになっています。

 

全体になんだか敵も含めて間が抜けているシーンが適度にあって、時々映るVRゲームをプレイするリアルでの姿(ヘッドマウントディスプレイをつけてランニングマシンみたいなとこでどたばたする)はかなりのダサさを誇ります。といって決してゲームやオタクを馬鹿にしているわけでもなく、現実の大切さも説きながらオタク文化も否定しない、そんな優しい出来上がりになっている印象でした。

 

出てくるキャラクターも多種多様、日本人になじみ深いものが多く、キティちゃんやストリートファイターリュウやら、メカゴジラからガンダムまでスティーブンスピルバーグのオタク感と日本への好意を感じます。一瞬だけクッパとかザンギエフが出てきただけだった「シュガーラッシュ」よりは随分満足しました。

 

最後にハリデーが死ぬ間際に彼が悟ったこととして"the only real world is real"的なことを言っていたと思いますが、言葉にすればそうなんですけど2045年と言わず今でも

徐々にその感覚を忘れかけているんじゃないでしょうか。

 

映画終盤でVRゲームを道端で遊んでいる大量の人がいて、みんな画面見たまま

走り回ったりしている滑稽なシーンがあるんですけども、電車にいてスマホをみている

人達や歩きスマホが注意されるような現在も実は客観的にみると同じような滑稽な状態

なのではないでしょうか。それが一概にいいとか悪いとか一元的な問題ではないでしょうけどちょっとreal world is realというのが自分にとってどういう意味を持つか考えてみてもいいのかな、と自分の生活を顧みてふと思いました。