現代数理統計学の基礎 7章 問2 (2)
ちょっと解答が納得しにくい問2の(2)をやっていきます。(1)と逆で、平均が既知で分散が未知の場合の検定ですね。
まず尤度関数は
となります。
また(1)と同様に対立仮説下での最尤推定量をとすると
となります。
場合分けしてみていくと
①のとき
尤度比の式は分母分子ともに同じになるので1となります
②のとき
7章の問1の尤度比検定の問題と同じ方法(現代数理統計学の基礎 7章 問1 (2) - 脳内ライブラリアン)で計算できますので、最終的に-2logをとると
となります。
ここで、その後も(1)と同様に以下の確率上界を求めます。
ですが、そのままやろうとするとlogが邪魔でうまく不等式を作ることができません。
そこで、解答のやり方では
がによって単調増加することを利用し
と同値になることを用います。
ここがまあ納得できるようなできないような、、、というところなのですが、結局定数より大きければ良いので、単調増加関数であれば不等式の内容としてはこの式に情報は集約できているわけですね。
これを使えばあとは簡単で、有意水準αの検定はのとき
を利用して
であるため
両辺にをかけて
この確率をとると帰無仮説の条件より
となります。
(2021.11.11追記:指摘をいただいて修正しました)