熱性けいれんの再発率は?てんかん発症リスクは?
うちの子が熱性けいれん起こしました。
幸いすぐ、おさまったので良かったのですが
心配になるのは、今後の再発やてんかんリスク。
医師といえど分野が違うと全然細かい知識がないので、ガイドライン引いてみました。
参考文献:熱性けいれん診療ガイドライン2015 (日本小児神経学会)
熱性けいれんの再発
熱性けいれんの再発予測因子は以下の4因子である
1)両親いずれかの熱性けいれん家族歴
2)1歳未満の発症
3)短時間の発熱-発作間隔(おおむね1時間以内)
4)発作時体温が39℃以下
いすれかの因子を有する場合再発の確率は2倍以上となる
再発予測因子をもたない熱性けいれんの再発率は約15%である。なお、再発予測因子を有する症例も含めた熱性けいれん全体の再発率は約30%である。(総論4より)
うちの子はどれも当てはまらないな、良かった。
ただ、発作時の体温まではわからんな、と思いますが。
ガイドラインの他の部分を参照にすると何度か発作を起こしていても
単純型(長時間の発作ではないなど)であれば
知的能力などにも影響はないようです。
15%というと結構多い印象ですね。リスクなくても
10人に1人以上は2回も発作起こすかと思うと目が離せないです。
熱性けいれん後のてんかん発症率
熱性けいれん後のてんかん発症関連因子は以下の
4因子である。
1)熱性けいれん発症前の神経学的異常
2)両親同胞におけるてんかん家族歴
3)複雑型熱性けいれん(部分発作、発作が15分以上持続
一発熱機会内の再発のいずれか一つ以上)
4)短時間の発熱発作間隔(概ね1時間以内)
1)~3)のいずれも認めない場合のてんかん発症は1.0%と一般人口のてんかん発症率と同等である。1因子認める場合は2.0%、2~3因子の場合は10%であった。4)はその後のてんかん発症の相対危険度は概ね2倍であった。(総論5より)
補足:相対危険度(relative risk: RR)・・・
ある疾病の原因となる事柄がある群での疾患リスクとない群での疾患リスクの比。
今回の例でいけば、熱性けいれんを起こしたことがある100人のうち2人が
てんかんを起こし、熱性けいれんを起こしたことがない100人のうち1人が
てんかんを起こすようなイメージ。
結構再発のリスクと似通ってますね。
これも一応うちは当てはまらないかな。
考えるときに患者さんには熱性けいれんの既往があるかどうか
聞いたりしますが、正確に聞くならリスク因子まで聞かないと意味なさそうですね。
ガイドラインに繰り返し記載されているのは基本的に良性の疾患で
てんかんや知能への心配はしなくて良いということです。
どうしてもこどもが痙攣起こしたら心配になりますからね。
かかりつけ医の話をよく聞いてもらえれば大丈夫と思います。