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「一流の育て方- ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる」ミセス・パンプキン/ムーギー・キム著 感想

今日は通勤中に聞いているオーディオブックから一冊紹介しようと思います。

 

「一流の育て方」ダイヤモンド社、です。

 

こどもが幸せに生きていけるための育て方を

有名国公立・私立大学生への親の教育に対するアンケートに触れながら解説した本。

自らも4人のこどもの育児(いずれも国際的に活躍)をしている

ミセス・パンプキンが自身の経験に触れながら

こどもにとって良い育て方の最大公約数をみつけだす、という内容です。

 

本書で重要視されているポイントの中で自分が

特に大事だと感じた3点を抜き出します。

 

 

 

の3つです。

順番に説明していきます。

 

自主性

自分が幸せを感じるためには

自分のやりたいこと・幸せになれることを把握し

自分で考えて、行動すること、が重要です。

 

そこでこどもにはぜひとも自分のことをきちんとみつめ

自分で行動できる力を身に着けてほしい。

 

この時に必要なのが自主性です。

 

自主性はどこから芽生え始めるのか。

それが俗にいう2歳からのイヤイヤ期じゃないでしょうか。

 

うちの子を見ていても本当にそう思います

 「じぶん、じぶん」といってなんでも自分でやりたがります。

外でもどこでもそれをやろうとするので、まあ大変。

机の上がぐちゃぐちゃになったり、外ではあれこれものを触ったり。

 

ただ、自主性を養う上ではこれを邪魔してはいけない。

せっかくの自分でやる機会を奪われると段々と自主的にやらなくなってしまう。

 

これは年齢をある程度重ねてからも一緒で

何かに挑戦しようとしているときはそれを応援するのが良いとか。

 

ここでひとつ、親のできることとして触れられているのは

「視野を広げてあげること」

 

こどもが何かをやろうとしても、広い世の中には知らなかったり

気づかなかったりすることがいっぱいあります。

 

自分も大学に入ってから広がった趣味がいっぱいありました。

それは中学高校の時には全然思いもよらないものでした。

もっと早く知っていたらスキルは上がってたなあと思ったりもします。

 

こども視点で情報を提供してあげて一緒に取り組むというのが理想ですね。

 

こどもは親の背中をみて育つ

こどもは親の行動をすぐにまねします。

これがすごいのは親自身も意識していないような行動まで、まねること。

 

こどもを育ててから初めて気づいたんですが

スマホでだれかと話してるまね」とか

「ものを片付けるときについつい投げちゃったりする」とか

「手を後ろに組む歩き方」とか

本当些細なことまでまねてしまうんですね。

 

良くない習慣も良い習慣もどんどん吸収してしまうので

親は気が抜けません笑

 

こどもの行動をみて、叱ったりする前に、ふと自分の行動を鑑みる癖を

つけたほうが良いかもしれません。

 

また、これを応用して、こどもにしてほしいことがあるなら

手本を示してあげられるようにする、というのも大事なことです。

 

「勉強しなさい!」

「片付けしなさい!」

「早く寝なさい!」

「ゲームやめなさい!」

 

と親が要求することって数々あると思うのですが

実際こどもはあまり聞いてくれないことが多いのではないでしょうか。

 

私は中学から進学校に行っていたので

親も厳しい家がそれなりにあったんですが

そういうこどもほど、家でできないゲームを学校でしている笑

 

家で制限されるから学校で授業を聞かずにゲームをする、、、

本末転倒ですね。

 

押し付けによる制限はどうしたって反発が来ます。

それよりも勉強をやることがいかに役立つか楽しいかを

工夫して教えてあげられるのがいいですね。

・・・かなり難しそうですが。

 

なによりも愛情

この本の終盤で触れられていますが

何よりも大事なのは愛情をそそぐこと。

 

こどもが親からの愛情を受けて

安心感を感じること。

それによって自己肯定感と困難へ挑戦していく気持ちを養うことが

できるのでしょう。

 

親がこどもにとっての「安全基地」になる、と書かれていました。

 

この「安全基地」というのは

愛着障害の克服」(岡田尊司著)によると

愛着に関しての理論を生み出した

イギリスの精神科医ボウルビイと研究協力者である

心理学者メアリー・エインスワースに依るようです。

 

”窃盗を起こした非行少年の事例を集めてみると

幼少期の母親からの愛情不足が多かった”

 

同じような様々な事例から

特定の養育者との「愛着」の結びつきが

幼いこどもの発達や安定に不可欠な役割を果たしている

とボウルビイは考えました。

 

そこから発展した考えが以下のものです。

つまり、危険が迫ったときだけ子どもは安全基地のもとに逃げ込み、危険が去ると子どもは再び母親のもとを離れ、自らの活動に戻るのである。母親という安全基地が存在することで、子どもは「遊び」という探索行動を、安心しておこなうことができていた。

 

不安を感じているときに、抱きしめてあげる、大丈夫だよ、と声をかける。

これが、こどもに「安全基地」となっていることを

示せることなのではないでしょうか。

 

最後の大事なところでこうした話をもってくる点や

子育てをされている皆さんは十分にされていると思います、と書いてくれる点に

著者のミセス・パンプキンの母親としての優しさが感じられるなあと思いました。

 

 

本に関して気になる点があるとすると

「一流の育て方」というタイトルが、どうも一流二流と人を分け隔てて

書いているような雰囲気で、「他人を下に見ない」という

大事な点とどうも矛盾して感じるな、というところと

 

大学生・大学院生のアンケートをもとに

いくつかの話が展開されているのですが

社会に出て、育児をし始めて、自分の親の教育に対して

感じたことや思ったこと、というのが随分変わったと思うので

むしろそこからの視点もあるべきなんじゃないかなと感じました。

そこで初めて親に感謝できることもいっぱいあったと思うので。

 

ともあれ、概ねの内容は子育ての基本的な考え方として

大いに役立ちそうです。これからも、育児をするうえで参考にしたい良本でした。