脳内ライブラリアン

読書した本や学んだことをまとめつつ記事に。職業は医師なので医療絡みがメイン。

カテーテル血流感染(Catheter-Related Blood Stream Infection)のガイドライン抜粋まとめ

今回は医学の話を。
 
先日少しカテーテル血流感染について勉強しました。
 
カテーテル血流感って科に関わらず、結構困ることが多いと思うんですよね。
 
「この患者さん熱続いてるんだけど原因がわからんな」
「まさかCVからかなあ・・・?」
「でも抜いたらまた入れるの大変な人だしなあ・・・」
 
みたいな一人問答をすることもしばしば。
 
そこでちょっとカテーテル血流感染(CRBSI)について勉強してみましょう。
 
 
2009年度版IDSA(アメリカの感染症学会)のガイドラインが日本語版もあり
分かりやすいので読んでみるのがおすすめです。
 
どこからみていいかわからないそんな人のために
一部抜粋してまとめました。
 
まず、そもそもCRBSIの基準ってなんぞや?
診断はどうすればいいんだ?っていう基礎的なことから。
 
CRBSIを疑った場合の診断
 
 
-血管内カテーテル関連感染症の診断と治療に関する実践的臨床ガイドライン 2009年度版より-
 
血液培養
末梢血とカテーテル血1セットずつ
末梢静脈から取れない場合は異なるカテーテル・ルーメンから2セット以上採取
 
確定診断
1セット以上の皮膚から採取した血液培養とカテ先端培養が一致
もしくはカテーテル血から採取した検体が末梢血より少なくとも2時間以上早く陽性になる
 
 
まずは何より血液培養2セット(末梢血、カテーテル血)ですね
 
CRBSIの治療期間

 
複雑性かどうかの判断によって治療期間は大きく異なりますが複雑性とは?
 
上記の通り血栓性静脈炎、心内膜炎、骨髄炎など
細菌がまったりと居つける環境が整っている場合ですね。
 
なかなか血流内の細菌を除去できないので
長期間の治療が必要となるわけです。
 
ちなみに感染性心内膜炎の否定について
最も確実なのは経食道心エコーですが正直患者さんも辛い。
 
カテーテル抜去後72時間以内に解熱かつ身体所見なし、弁膜症などリスクとなる
心疾患なし、なら経食なしでもいいかもしれない、とガイドラインでは推奨されてます。
 
カテ抜去の基準は?
他に静脈路確保が全く困難な場合など結局case by case。
カテーテル温存を試みる場合は適切な抗菌薬開始後の72時間以降の血液培養が2セット陽性ならカテ抜去すべきと。
 
またup to date大先生では
 
短期型(ポートじゃないやつなど)は黄色ブドウ球菌、腸球菌、GNR, 真菌、マイコバクテリウム属なら抜去すべき。
 
バシラス、ミクロコッカス、プロピオニバクテリアなど病原性は低くても除去が難しい起因菌ならカテ抜去すべき。
→ただし血液培養をとってコンタミが否定されたあとでもよい、急がなくてよい
 
とされてます。
 
勉強しても厄介なことには変わらないCRBSIですが
ちょっとは対策の目安になるんじゃないでしょうか。
 
<参考文献> 
-血管内カテーテル関連感染症の診断と治療に関する実践的臨床ガイドライン 2009年度版-
-up to date treatment of catheter related blood stream infection-