脳内ライブラリアン

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医療、統計、哲学、育児・教育、音楽など、学んだことを深めて還元するために。

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医学

【効果、有効性】effect/ effectiveness/ efficacy/ utilityの違い【医学論文の英語表現】

今回は効果や有効性、有用性などの意味で使われる名詞を比較していきます。eff-から始まる単語は3つもありますが、少し意味が異なるため今回入れなかったものとしてefficiency(効率)なんかもあって、かなり紛らわしいです。 以前書いたinfluence, impact…

【弱める、衰弱させる】impair/debilitate/weaken の違い【医学論文の英語表現】

「弱める」「衰弱させる」といった意味で用いられるimpair/ debilitate/ weakenについてまとめていこうと思います。 目次: 単語の意味と共起表現 医学論文を含めた用例 単語の意味と共起表現 ・impair to spoil something or make it weaker so that it is …

【通常、普通】commonly/ normally/ generally/ usuallyの違い【医学論文の英語表現】

専門医試験も無事終わりましたので、ぼちぼちと英語の勉強をまた始めてます。まとまって学ぶところがあれば、たまに記事書いて勉強の糧としようと思います。 今回は「通常は、普通は」の意味で使われる副詞たちです。 目次: 単語の意味と共起表現 医学論文…

脳神経内科の遺伝性疾患の異常遺伝子と遺伝形式の覚え書き(専門医試験対策)

明後日は脳神経内科専門医試験です。 日常診療ではさほど意識しないのに問われがちなのは遺伝性疾患とその異常遺伝子、遺伝形式のあたりかと思いますが、非常に覚わりにくいですね。直前に見直しておきたいので頻出のものをざっとまとめてみました。 ライソ…

高齢者への心房細動スクリーニングの意義は?(STROKESTOP study, the LOOP study)

抄読会で読んだ論文の紹介をしつつ、心房細動スクリーニング関連の話を少し書いてみます。 心房細動の検出と脳梗塞予防 心原性脳塞栓症の予防といえば心房細動の検出→抗凝固ですが、心房細動を検出したところでハードエンドポイント(脳梗塞や他の塞栓症の予…

脳梗塞再発予防に対するプラスグレル(PRASTRO試験)と適応拡大について考える

いつの間にか年末の間に脳梗塞の再発予防に対するプラスグレルの効能追加が発表されていました。 記憶を辿ってみると2年前にプラスグレルの試験に関する論文(PRASTRO-Ⅰ)を抄読会で読んだ気がするのですが、確か非劣性も示せていなかったような、、、。 クロ…

手の筋肉と支配神経を覚えてみる

引き続いて神経内科専門医試験に出がちな手の筋肉と神経支配について、できるだけ簡単に覚えてみようと思います。 ある程度知っていると上肢の脱力をきたす疾患において原因となる部位が末梢神経なのか脊髄なのか、あるいはどの神経・レベルなのかをよりうま…

実臨床に役立てるメタアナリシスの読み方⑤ -Methods編後半①-

今回はMethods~Resultsにかけて、risk of bias(バイアスリスク)を中心にみていきます。 前回までの記事はこちら 実臨床に役立てるメタアナリシスの読み方① システマティックレビューとメタアナリシスの違い『なぜメタアナリシスのみはダメなのか』 実臨床に…

実臨床に役立てるメタアナリシスの読み方④ -Methods編中盤②-

今回もMethods~Resultsの一部にまたがって説明していきます。 前回の記事はこちら 実臨床に役立てるメタアナリシスの読み方① システマティックレビューとメタアナリシスの違い『なぜメタアナリシスのみはダメなのか』 実臨床に役立てるメタアナリシスの読み…

実臨床に役立てるメタアナリシスの読み方③ -Methods編中盤①-

引き続きMethodsの読み方について考えていきます。 ここでは「臨床的疑問に対する直接的な研究か」「複数名のレビュアーで文献が選択されているか」の2点について考えていきます。 前回までの記事はこちら 実臨床に役立てるメタアナリシスの読み方① システマ…

実臨床に役立てるメタアナリシスの読み方① システマティックレビューとメタアナリシスの違い『なぜメタアナリシスのみはダメなのか』

メタアナリシスの読み方をまとめたページはこちら 実臨床に役立てるメタアナリシスの読み方まとめ - 脳内ライブラリアン 今回はまず前提知識として ①「システマティックレビュー」と「メタアナリシス」の違いは何か ②どのような流れでその2つが組み合わさる…

実臨床に役立てるメタアナリシスの読み方まとめ

以前にも一度システマティックレビュー&メタアナリシスについてまとめようとしたことがあったのですが、部分的な説明止まりだったので改めて書いてみることにしました。 医学論文の読み方を解説した本ではランダム化比較試験、観察研究などの説明が多く、メ…

REGN-COV2069試験(抗体カクテル療法の予防投与)とREGN-COV2067試験(治療)について調べてみた

昨日のニュースでcasirivimabとimdevimabの抗体カクテル療法の承認申請が出ていました。今の時点では出ていない情報が多いところですが、興味深かったのでひとまず調べたところを書いてみます。 www3.nhk.or.jp COVID-19の外来患者に投与した際の入院・死亡…

医学論文の読み方記事まとめ

ちょこちょこと論文の読み方やら医療統計の話を絡めた記事を書いてますが、場所が分かりづらくなっているので、一回まとめておこうと思います。 個々の記事はあんまり綺麗にまとまりきってないのと、読む上ではそこまで気にしなくても良い統計の話がダラダラ…

【減少する】reduce/ decrease/ decline の違い【医学論文の英語表現】

今回は「減らす」「減少する」の意味をもつ単語reduce, decrease, declineについてみてみます。 目次: 単語の意味と共起表現 医学論文を含めた用例 単語の意味と共起表現 まずは原義からみてみます。 毎度おなじみCambridge Dictionary | English Dictionar…

【示す】show/ demonstrate/ indicate/ suggest/ reveal の違い【医学論文の英語表現】

さて今回は検査結果や他の研究を主語にして使われがちな単語たちをまとめてみます。ちょっと欲張って多すぎた気がします(汗 "show" を中心としたSkeLLによるsimilar wordsの図をみてみると以下のような形です。 (SkeLLより引用) 他にも違いを明確に説明し…

【行う】conduct/ perform/ undertake の違い【医学論文の英語表現】

今回は「行う」「施行する」などの訳で用いられることの多いconduct, perform, undertakeの違いについて、みてみます。 目次: 単語の意味と共起表現 医学論文を含めた用例 単語の意味と共起表現 まずは単語の意味から。 Cambridge Dictionary | English Dic…

【経験する】undergo/ experience の違い【医学論文の英語表現】

毎日夜になると子どもの嘔吐があって、ろくに眠れませんでしたが、やっと落ち着いてきそうです。胃腸炎ってきついですね、、、。 今日もちまちま英語で勉強したことを書きます。 undergoとexperienceですね。undergoは単語の意味としてはなんとなく分かって…

【調査・研究】research/ study/ survey/ investigation の違い【医学論文の英語表現】

統計に関しては勉強中ですが、解く方が最近中心なのであまり記事にまとめることがなくなってきまして、、引き続き英語の方を磨いていきます。 今回は「調査・研究」の意味で使われる単語research/ study/ survey/ investigation の違いを見ていきます。 目次…

【影響】influence/ impactの違い【医学論文の英語表現】

さて、夜になると娘が咳き上げ嘔吐する毎日が続いていますが、自分は奇跡的に元気でやっております。ちまちま英語で勉強したことをあげていきます。 目次: 単語の意味と共起表現 医学論文を含めた用例 単語の意味と共起表現 まず、それぞれの単語の意味から…

【期間】period/ term/ durationの違い【医学論文の英語表現】

体調不良と発熱により1週間ほどブログ更新できませんでした。結局ただの上気道炎だったわけですが、治ってきたと思ったら、下の子が胃腸炎でゲロゲロしてまして、睡眠時間を削られ回復がまた遅れ、、、さらに上の子も下痢になり、現在は家庭内で胃腸炎が拡大…

実際の医学論文から統計を学んでみるⅥ -多重検定/ボンフェローニ法/ファミリーワイズエラー率-

最近読んでみた2016年のオピカポン(オンジェンティス)の第3相試験の研究で、多重検定が含まれてましたので、紹介しつつ学習してみようと思います。 元の論文はこちら。 Ferreira, Joaquim J., et al. "Opicapone as an adjunct to levodopa in patients wi…

内科医が知っておきたい精神科のエッセンス『状況別に学ぶ内科医・外科医のための精神疾患の診かた』

ちょっと前に楽天お買い物マラソンで買い漁った積読本を読み進めてます。 医学書なので臨床医向けですが、おすすめです。 頻度から考えると普通の内科・外科でも十分精神疾患の方に出会うと思うのですが、脳神経内科をやっていると特に多く出会うと思います…

心エコーを見直してみる『レジデントのための心エコー教室』レビュー

久々に医学書を買いました。 需要の少なさからなかなか感想を書く人もいないと思うので、せっかくなので感想を書いておきます。 // リンク 脳梗塞の患者さんをみるときに基本的に高齢者が多いので合併疾患があることもよくあります。慢性心不全も多いですね…

【統計応用・医薬生物学】Simonの2段階デザインについてわかりやすく【統計検定1級対策】

2017年の統計応用問3で出ていた問題が、サイモンの2段階デザイン(Simon's two-stage design)と呼ばれる、早期中止を含めた2段階のランダム化比較試験デザインでした。 抗がん剤の第2相試験で使われたりしているようですが、神経内科領域ではどうにも馴染み…

【統計応用・医薬生物学】RMST法の期待値と分散【統計検定1級対策】

引き続き生存時間解析の話ですが、2019年の過去問ではRMST法の問題が出ていたので、期待値と分散の導出について簡単に説明します。 RMST法ってそもそもなんやねんということは過去に一度記事を書きました。 medibook.hatenablog.com 範囲にも書いてないし、…

【統計応用・医薬生物学】Cox比例ハザードモデルと尤度関数【統計検定1級対策】

生存時間解析の勉強を進めて、今回はCox比例ハザードモデルについて過去問に対応できるように知識をつけていきたいと思います。 ハザード関数と生存関数の知識が前提に必要なので、わからなかったらこちらをどうぞ。 medibook.hatenablog.com 目次: Cox比例…

【統計応用・医薬生物学】カプラン・マイヤー推定値の信頼区間・Greenwoodの公式【統計検定1級対策】

今回はカプラン・マイヤー推定値の信頼区間を知るための分散の求め方をやってみようと思います。この分散の式はGreenwoodの公式と呼ばれています。 統計検定1級の教本にも紹介されていますし、導出の過程はほどほどの難しさなので、出題されてもおかしくはな…

【統計応用・医薬生物学】カプラン・マイヤー推定値とネルソン・アーレン推定値【統計検定1級対策】

今日も統計検定1級の統計応用・医薬生物学分野について頻出の内容をまとめてみようと思います。 追加した内容は以前まとめた記事に載せていきます。 統計検定1級の出題範囲と過去の記事・お役立ちサイト・参考書をまとめてみた【統計検定1級対策】 - 脳内ラ…

【統計応用・医薬生物学】ハザード関数と生存関数の関係性を整理【統計検定1級対策】

統計数理もだいぶ勉強は進んできたのでぼちぼち統計応用の分野の勉強も進めようかと思っています。 そこで2018−2019年の過去問をようやく買ってみて統計応用・医薬生物学分野をみてみたのですが、思った以上に難しそうでした、、、。自分の知識のばらつきか…